釧路で活躍している方や釧路にゆかりのある方に、釧路の魅力を語っていただくシリーズ「釧路を語ろう」。
第一回は、2014年から家族で釧路に移住し、釧路を題材にしたイラストレーションを描き続けている遠藤理子さんの登場です。
■初めての釧路の印象は「渋い、大人の街」
2014年12月に家族とともに主人の出身地である釧路に移住してきました。それまでに釧路の情報はほとんどなく、たどり着いた夜の釧路駅前の街灯や幣舞橋(ぬさまいばし)を見て、哀愁ただよう「渋い、大人の街」という印象を持ちました。いい意味で。実際に釧路を題材にした演歌が多いように「演歌っぽい、昭和っぽい」という雰囲気とともに、霧が多い気候が似ているロンドンともイメージが重なりました。
■釧路に来て自分の絵のスタイルを確立する
イラストを描き始めたのは東京でデザインの仕事をしていた頃から。仕事上イラストを描く機会があり、自分らしいスタイルの絵を描いてみたいと思うようになって、イラストレーターの学校に一年通いました。その後、ちょこちょことコンペに作品を出したりしていましたが、出産もあり、本格的にイラストを描くようになったのは釧路に来てからです。
釧路の身近な風景を題材にした遠藤さんの作品(左:弁天ヶ浜の踏切、右:米町公園)
釧路の街は構図的に面白いところが多く、いろいろと写真を撮って題材を探し、まずは釧路川河口の耐震岸壁に並んだ夏祭りの出店をイラストにしてみました。自分でも納得のいくものが描けたので、雑誌「イラストレーション」のコンペ、ザ・チョイスに応募したところ入選。それ以来、木製パネルに釧路の象徴である夕日のオレンジを下地に塗り、釧路の身近な風景を描くスタイルを確立していきました。
■弁天ヶ浜の踏切、炭鉱列車、石炭工場が好き
釧路の一番好きな場所は、米町の弁天ヶ浜の踏切です。(アイキャッチ写真、イラスト左の場所)踏切の向こう側がすぐ海という見たことのない景色に衝撃を受けて、イラストを描きました。ここを走る日本唯一の炭鉱列車も好きで、イラストを描くために列車が走る時間を調べて千代ノ浦で張り込んだことも。その元にある太平洋炭鉱(釧路コールマイン株式会社)の選炭工場の建物も斜めの屋根やコンベアーの重なり具合が絶妙です。
遠藤さんの好きな炭鉱列車と選炭工場(坑内掘り炭鉱)はともに国内唯一
■釧路には心に響く景色がたくさんある
北海道らしい自然と文化の調和。トタン屋根の可愛い家たち。夕日のオレンジに染まる街。地元の人が当たり前に見ていて気がつかない、釧路の素敵な景色を切り取ってイラストにしています。私のように釧路以外から来た方なら、こんな風に釧路の街が見えるかもしれませんし、もっと新しい発見があるかもしれません。北海道を楽しむなら、釧路を含めた道東が断然面白いですよ。
A series "Let's talk about Kushiro" who will talk about Kushiro's charm to people who are active in Kushiro and people who live in Kushiro.
The first is the appearance of Masako Endo who has relocated to Kushiro as a family from 2014 and continues to draw illustration with Kushiro as a theme.
遠藤理子
Masako Endo
静岡県出身。北海道釧路市在住。
グラフィックデザイン、WEBデザインなどの仕事に10数年勤務後、イラストレーションを描き始める。
第197回ザ・チョイス準入選(佐藤直樹さん審査)
第202回ザ・チョイス入選 (上杉忠弘さん審査)
2008年7-8月
個展「遠藤理子展 壱」(第3回 新池袋モンパルナス西口まちかど回遊美術館に参加)
2008年10月
個展(白金台 BAR calma にて開催)
2017年6月
個展「オレンジ色の世界」(釧路市 喫茶ラルゴにて開催) 北海道新聞夕刊にて紹介される。