釧路市街地の広範囲から見える高台には、インドや東南アジアの寺院のような形の「仏舎利塔」という建造物が立っています。仏舎利塔とは、釈迦の遺骨を安置して祀る塔のこと。釧路の仏舎利塔にはインド・ミャンマー・スリランカから2粒ずつ、計6粒の釈迦の遺骨が安置されているそうです。
■半世紀以上の歴史
Over half a century of history
釧路の仏舎利塔は、世界恒久平和と漁業の豊漁・安全を祈願して1959年(昭和34年)に建てられました。国内外の数多くの仏舎利塔を手掛ける大岡實氏の設計による最初の仏舎利塔であり、全国でも3番目に早く建てられた歴史を持ちます。特徴的な形は、インド建築の手法を取り入れたものです。
■4面の仏像レリーフ
4 Buddha reliefs
高さは33メートル、基段直径27メートル、下部は40メートル。間近で見ると、その大きさに目を見張ります。コンクリートのままではなく、全面石張り仕上げ。そして、東西南北の4面に美しいブロンズレリーフがあることに気づくのです。これは仏像彫刻家の斉藤高徳氏による作品で、「正道仏」「初転法輪仏」「誕生仏」「涅槃仏」の4つの仏像が描かれています。
左回りで、正面(西面)の「正道仏」、南面の「初転法輪仏」、東面の「誕生仏」、北面の「涅槃仏」
手前に見えるのは「お供え山」と呼ばれるアイヌの砦跡・モシリヤチャシ
■釧路市街地を一望
Overlooking Kushiro City
釧路の仏舎利塔は、釧路市東部地区の中心的な場所(城山)に位置し、見晴らしの良い高台にあります。ここから釧路港や釧路川、幣舞橋、フィッシャーマンズワーフMOOといった市街地をはじめ、遠く阿寒連峰までが見渡せる絶好の場所です。また、神々しい場所にふさわしく野鳥やキタキツネなどに出会えることもあります。
運が良ければシマエナガやキタキツネに出会えるかも?
■夕日に映える
reflected in the setting sun
世界三大夕日といわれる釧路の夕日と仏舎利塔の相性は抜群です。観光スポットとして名高い幣舞橋周辺と同等かそれ以上に、芸術的で美しい夕日の写真が撮れます。周辺には、小・中学校や高校、短大、大学もあり、仏舎利塔が思い出の風景の一部になっている釧路出身者も多いようです。
2014年(平成26年)には「仏舎利塔まつり」が開催され、地元市民からも愛されている仏舎利塔。公式な観光スポットとしては紹介されていませんが、釧路の街に溶け込む平和のシンボルをその目に焼き付けてみませんか?
釧路仏舎利塔 日本山妙法寺
Kushiro Buddhist Stupa Nipponzan Myohoji
■アクセス 釧路駅よりくしろバス武佐線で6分「仏舎利塔通」より徒歩4分、釧路駅より車で10分
■住所 北海道釧路市城山1-11-11
■電話 0154-41-0525
■HP https://yaokami.jp/1015584/
http://www.ohoka-inst.com/kushirobussharitou.html